ガザの真実を映し出すフォトダイアリー
国際NGOのプラン・インターナショナルが、新たに公開したフォトダイアリー「亡霊の街(A city of ghosts)」が注目を集めています。この作品は、才能あるパレスチナの写真家ファティマ・ハスネさんが、ガザでの18カ月間にわたる激しい紛争下での生活を記録したものです。ファティマさんは若干24歳という若さで家族と共に命を落としましたが、彼女の作品はガザの人々の生活や感情を、深い思いをもって伝えています。
このダイアリーは、ファティマさんがガザで経験した苦しみと希望を映し出しており、ガザの人々が直面している現実を理解する手助けとなるものです。彼女は、爆撃による破壊の中でも子供たちの明るい未来を夢見ており、その一時的な停戦の中でさえ、心からの希望を持ち続けました。
彼女が遺した「亡霊の街」というタイトルには、ガザが直面する惨状が象徴的に表現されています。内容には、空爆によって破壊された町、多くの人々が避難を余儀なくされたスタジアム、戦争に影響を受けた子どもたちの姿そして、彼女自身の思い出が詰まった文化センターが含まれています。こうした写真は、彼女の感情と視点を伝えるだけでなく、見る者に深い問いかけをしています。
ファティマさんは、ガザを訪れた際に「私たちが愛していたすべてのものを奪われた!」と悲痛な思いを吐露しています。しかし、同時に彼女は故郷のアイデンティティを持ち続ける重要性を訴え、「レジリエンスを信じ続けることが大切だ」と語りました。彼女の心には、パレスチナ民族の抵抗と希望が根付いていたのです。
このダイアリーの特筆すべき点は、ファティマさんが亡くなる直前にこのプロジェクトを承認していたことです。彼女の名前を明記して公開することにしたのは、彼女の功績を称え、同じような境遇にあるガザの人々を忘れ去ることのないようにしたいという思いからでした。
また、プラン・インターナショナルは対外的にもガザの子どもたちの声を届けるための活動を行っており、同組織のウェブサイトにはガザの子どもたちの力強い詩の動画も掲載されています。抑圧された状況に置かれた子どもたちが故郷への思いを語り、世界のリーダーたちに訴える切実なメッセージが映し出されているのです。
プラン・インターナショナルは、子どもや若者との協力のもと、80カ国以上での活動を通じて平等と公正の実現を目指しています。将来的に、ファティマさんのような力強い声が世界で認められ、尊重される日が来ることを、心から願っています。
ガザの声を聞き、彼女たちの現実を知ることで、我々は何ができるのかを再考する必要があるのです。