書評家三宅香帆の新著が引き起こす「好き」の波
株式会社ディスカヴァー・トゥエンティワンから刊行された三宅香帆氏の書籍『「好き」を言語化する技術』が、2024年7月31日の発売からわずか7か月で20万部を超える大ヒットを遂げている。この書籍は、多くの読者が抱える「好き」という感情をうまく言葉で表現できないという悩みを解決する内容だ。
哲学的な取り組みが「共感」を生む
本書は、著者自身の「好き」についての深い考察から生まれている。読者にとって、「感動した」「おもしろかった」といった娯楽の感情をうまく表現できないと感じる場面は多々ある。この悩みを解消するために、三宅氏は「好き」という言葉を使って自己表現する方法を提案している。本書は、感情を言語化するための「技術」を磨くための実践的なガイドラインを提供しており、このようなアプローチが読者の共感を生んだのだ。
特に20〜30代の読者層から支持されており、「これ、私のことだ!」と多くの声が寄せられているという。主要書店でも連続してランキングに名を連ねており、その反響の大きさは目を見張るものがある。
メディアへの露出も影響大
書籍の魅力が広まり、多くのメディアでも取り上げられていることもヒットの要因だ。TBSテレビの「THE TIME,」や「王様のブランチ」、その他新聞やオンラインメディアなど、様々な媒体で特集が組まれ、注目を集めている。特に、SNSでは「共感しかない!」や「自分の思いを言葉にするヒントが詰まっている」といった感想が飛び交い、ベストセラーへとつながっている。
また、三宅香帆氏は「新書大賞2025」を受賞するなど、著者自身の存在も読者の興味を引く要素となっている。彼女は次なる著書『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が2025年に賞を受賞予定でもあり、その注目度はさらに高まる一方だ。
語彙力に自信がない読者にも優しい内容
従来、感想やレビューを書くには、文才や語彙力が必要だという誤解があった。本書では、そんな誤解を解消し、誰でも自分の言葉で「好き」を語れる方法を提示している。「推し」の魅力を自分の言葉で表現することで、自己肯定感も高まるというメッセージは、多くの読者に支持される理由の一つだ。
三宅氏は、「好きな作品について語ることは、あなたの人生の素晴らしさについて語る行為」と語っており、多くの人にとって共感できる部分があるのだ。読者が自分の「好き」を言葉にすることで、より深い理解を得られることが、再度の読書を促している。
書籍情報
- - タイトル: 『「好き」を言語化する技術推しの素晴らしさを伝えたいのに「やばい!」しかでてこない』
- - 発売日: 2024年7月31日
- - 著者: 三宅香帆
- - 刊行: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- - 仕様: 新書判並製/264ページ
- - ISBN: 978-4-7993-3083-8
このように、三宅香帆氏の『「好き」を言語化する技術』は、ただの書籍ではなく、私たちの「好き」を大切にし、自分自身を理解するための手段とも言える。読者が自らの感情に向き合い、自信を持って言葉にできるようになることで、人生が豊かになることを期待したい。今後さらなる話題の広がりに注目だ。