STマイクロエレクトロニクスが新型コンバータを発表
STマイクロエレクトロニクス(STM)は、最新のPoint-of-Load(PoL)降圧コンバータ「LEOPOL1」を発表しました。この新製品は、特に低軌道衛星での使用を見越して設計されたもので、新たに拡大している「新しい宇宙(New Space)」市場に向けた強力なソリューションです。
現在、民間企業が主導する新宇宙産業は急速に成長しています。これにより、コスト効率の高い低軌道衛星を用いて、通信や地球観測などの新しいサービスが提供されるようになりました。STマイクロエレクトロニクスは、この新たなニーズに応えるべく、LEOPOL1を開発しました。
高機能と耐放射線性
LEOPOL1は、民間の宇宙機器開発企業が求める品質保証と耐放射線性を兼ね備えています。自動車業界の評価手法をもとにした設計がなされており、運用コストも低く抑えられています。使用されているBCD6-SOI(シリコン・オン・インシュレータ)技術は、宇宙での使用を実証済みであり、50krad(Si)の全吸収線量(TID)や3×10^11 proton/cm2の総非イオン化線量(TNID)耐性を有しています。これにより、シングル・イベント効果(SEE)も最大62 MeV.cm2/mgという優れた性能を示します。
柔軟性のある機能を搭載
LEOPOL1には、負荷に流れる電流を増大させるためのインターリーブ構成をはじめとする柔軟な機能が搭載されています。複数のコンバータを並列で使用することが可能で、同期機能を利用することで複数の電圧レールを持つ機器のパワーアップ・シーケンシングも簡単に行えます。最大7Aを供給する能力を持ち、グランド・レベルで最大12Vの入力電圧にも対応できる設計です。62MeV.cm2/mgの環境下では、6Vで5Aを供給することができます。
幅広い製品ラインナップ
LEOPOL1の追加により、STのLEOシリーズはさらに拡充され、様々な回路設計要件に対応できるようになりました。このポートフォリオには、一般的なロジック・ゲートやバッファ、LVDSトランシーバ、8チャネルの12bit ADコンバータ、低ドロップアウト・レギュレータ(LDO)が含まれており、いずれもLEOアプリケーション専用に開発されています。加えて、製造制御や品質保証もきちんと対応されています。
量産と入手方法
LEOPOL1はすでに量産が始まっており、31個入りのチューブスティック、250個入りのテープ & リール、またはサンプル用7個入りテープ・スティックで提供されます。詳細な価格については、STのセールスオフィスまでお問い合わせください。
さらに、STのLEO耐放射線性IC製品に関する詳細は、公式ウェブサイトで確認することができます。
STマイクロエレクトロニクスの企業情報
STマイクロエレクトロニクスは、50,000人以上の従業員を擁し、世界的な半導体メーカーとして知られています。顧客のビジネス創出や持続可能社会の実現を支援するため、さまざまな半導体ソリューションの開発に取り組んでいます。STの技術は、スマートモビリティやエネルギー管理の向上を実現し、再生可能エネルギーの使用率を2027年末までに100%にする取り組みも進めています。
お客様のお問い合わせ先は以下の通りです:
STマイクロエレクトロニクス(株)
アナログ・MEMS・センサ製品グループ
〒108-6017 東京都港区港南2-15-1
品川インターシティA棟
TEL : 03-5783-8250
公式ウェブサイト:
STマイクロエレクトロニクス