ユーグレナ配合飼料がカンパチ稚魚の成長と免疫力に与える影響
株式会社ユーグレナは、国立大学法人鹿児島大学水産学部との共同研究の結果、微細藻類ユーグレナを使用した飼料がカンパチ稚魚の成長および自然免疫能を向上させる可能性を確認しました。この研究は、2024年12月に予定されている「日本水産学会九州支部令和6年度支部大会」で発表されます。
研究の背景
水産養殖業界では、魚の健康を最適化するための飼料開発が進められています。特に、抗菌剤の使用を抑えた飼料が推奨されており、これは養殖魚の健康促進に寄与することが期待されています。国連食糧農業機関(FAO)でも、この取り組みが重要であるとされています。以前の研究で、ユーグレナやその成分パラミロンがヒトや動物の免疫機能に影響を与えることが示されています。この研究が、魚に対しても同様の効果を持つか検証することが目的です。
研究方法
カンパチの稚魚を2つのグループに分け、1つはユーグレナ粉末が含まれていない飼料(対照区)、もう1つはユーグレナ粉末を1.0%配合した飼料(試験区)を30日間給与しました。各グループの成長と免疫関連の指標を比較しました。特に、体重や体組成、血中の免疫指標に注目しました。
結果
研究の結果、ユーグレナを含む飼料を給与されたカンパチ稚魚は、対照区に比べて平均体重および増重率が有意に高かったことが判明しました。また、試験区の魚は体内にエネルギー源を多く蓄積していることも示されました。 さらに、血中のリゾチーム活性が向上したことも確認され、これは自然免疫能が高まっていることを意味します。
課題と展望
この研究結果から、ユーグレナ配合飼料がカンパチ稚魚の成長と免疫機能に良い影響を与える可能性が示唆されました。今後は、カンパチに加え、ブリやマダイなど他の養殖魚に対するユーグレナの効果についても研究を進める予定です。また、ユーグレナ飼料の実証試験を生産者と協力しながら行い、事業化を目指しています。
株式会社ユーグレナについて
ユーグレナは2005年に、微細藻類ユーグレナの食用屋外大量培養技術を確立しました。現在、バイオマスを利用したヘルスケア事業やバイオ燃料事業を展開し、特にサステナブルアグリテック領域に注力しています。「人と地球を健康にする」という理念のもと、環境課題の解決にも取り組んでいます。詳細は
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