ispaceが推進する月面通信プロジェクト
株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)のもと、月と地球をつなぐ通信システムの開発に向けて新たな一歩を踏み出しました。今回、KDDI株式会社とともに「月‐地球間通信システム開発・実証(FS)」というテーマでの調査業務契約を締結しました。地球と月の連携を強化するこのプロジェクトは、未来の月面探査ミッションにおいて不可欠な、モバイル通信の需要に応えるものです。
調査内容と目的
この調査では、特に月面でのモバイル通信が必要とされるミッションの時期や地域、ユースケース、そして通信機能や性能の要求について、詳細な分析を行います。ispaceはこれまでの月面探査ミッションを通じて蓄積した知見を活かし、調査の質を高めることを目指します。月面特有の環境や運用条件を考慮しながら、将来的な通信インフラの構築に向けた基礎データの提供を通じて、KDDIの技術検討を支援します。
KDDIとの連携
今プロジェクトはKDDIが第一期の公募テーマとして採択されたもので、2024年11月にこの調査が始まりました。KDDIが今後実施する月-地球間及び月面での高容量通信の実現可能性を検討する中で、ispaceはその基礎調査を担う役割を果たすことになります。これにより、これからの宇宙での通信体制がどのように構築されるか、期待が高まっています。
ispaceは、月面モバイル通信の実現を通じて、シスルナ経済圏の構築にも寄与するとしています。
飛躍するispaceの挑戦
はかだ代表取締役は、「日本政府が推進するこの通信システム開発プロジェクトに参加でき光栄」と述べ、通信技術の進歩がispaceの目標にとって重要であることを強調しました。第2段階に進み、実証や運用フェーズでのインパクトも期待されています。ispaceは、日・米・欧の地域文化を融合させたグローバル企業として、宇宙開発に挑戦し続けています。
未来のミッション計画
ispaceは、2025年には日本法人が主導するミッション2を予定しています。ミッション3は2026年、ミッション4は2027年に実行予定です。月面での低コストかつ高頻度な輸送サービスを提供するため、小型ランダーやローバーの開発に取り組んでいます。
宇宙ビジネスの可能性
月面市場の開発は進行中であり、民間企業が月でビジネスを行うための礎となるべく、データビジネスコンセプトの立ち上げも行っています。最近では、SpaceXのFalcon 9を利用してミッション1の打ち上げも行い、その成功が後続ミッションへの基盤を築いています。
結論
ispaceの月-地球通信システム開発に向けた取り組みは、未来の宇宙に向けた重要なステップです。新たな調査を通じて、月面での通信技術がどのように進化するか、そしてそれが我々の宇宙ビジネスにもたらす影響に注目が集まっています。今後の発表にも期待が持たれます。