自動車事故受付センターでの新たな試み
SBI損害保険株式会社とアルティウスリンク株式会社は、顧客体験(CX)の向上を狙い、自動車事故受付センターにおいて生成AIを活用した実証実験を開始しました。この取り組みは、テクノロジーを駆使して業務効率を改善し、顧客満足度を向上させることを目的としています。
CX向上を目指して
SBI損保は、顧客中心主義を基本に掲げ、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。これにより、業務の効率化とともに顧客の声をしっかりと受け止める体制を整えています。今回導入された「Altius ONE for Support」は、アルティウスリンクが提供しているデータ活用基盤で、生成AIを用いてオペレーターの作業プロセスを最適化します。
実証実験の概要
この実証実験では、以下の3つの主要なプロセスを検証します。
1.
後処理時間の短縮
オペレーターが通話後に行う記録作業の時間を最大35%削減することを目指します。音声認識でテキスト化した応対データを自動要約する機能が搭載されており、これにより応対履歴の入力業務が効率化されます。この施策により、高い応答率を維持しつつ、顧客満足度の向上に貢献します。
2.
VoCと顧客満足度の相関分析
生成AIを利用して、お客さまの声(VoC)と顧客満足度との関係を分析します。長年のコンタクトセンター運営の知見を活かし、優れたデータ選定を行うことで、顧客満足度に真に影響を及ぼす要因を明らかにします。また、この分析結果を通じて、オペレーターへの指導強化や応対品質の向上を実現します。
3.
商品・サービス改善要望の抽出
音声認識技術で得られたデータをもとに、潜在的な顧客ニーズを掘り起こし、分析します。これにより、契約内容や手続き、サポート体制に関する改善要望を特定し、CX向上へつなげることが期待されます。
未来の見通し
実証実験の結果を基に、実際の業務における導入を進める計画です。また、顧客満足度を予測するためのモデル構築も視野に入れており、生成AIの活用範囲を広げていく考えです。これにより、より付加価値の高いサービスを提供し、さらなるCX向上を実現することを目指しています。
アルティウスリンクの役割
アルティウスリンクは、KDDIと三井物産の共同出資で設立された企業で、約100か所の拠点と57,000人の人材を持ち、コンタクトセンターやバックオフィスのBPO事業を展開しています。最新のデジタル技術と人によるサービスを組み合わせる「デジタルBPO」を推進し、新しいCXをデザインする取り組みを行っています。
この新たな実証実験を通じて、SBI損保とアルティウスリンクは、テクノロジーの力で顧客体験を革新する挑戦を続けています。