神奈川県が推進するベンチャー企業と大企業の連携プロジェクトが成果を上げる
神奈川県は、新たなビジネスモデルを立ち上げるために、ベンチャー企業と大企業の連携を促進する「ビジネスアクセラレーターかながわ(BAK)」を活用しています。この取り組みの一環として、令和6年度に選ばれた2つのプロジェクトの実証事業が行われ、具体的な成果が得られました。これにより、今後の事業化に向けた取り組みが進められます。
実証事業その1: 空調効率を高める新システム
連携企業
- - 株式会社メンテル(ベンチャー企業)
- - 富士工業株式会社
プロジェクト名
空調効率を高めて光熱費削減と快適性向上を両立させる既存店舗向け空気環境改善サービス
このプロジェクトでは、株式会社メンテルがIoTとAI技術を駆使して、店舗のエネルギー効率を最適化するシステムを開発しました。特に、富士工業株式会社と手を組むことで、空調設備の従来の入れ替えなしで、室内環境を改善することに成功しました。具体的には、AIによる気流解析を行い、エアコンやサーキュレーターのコントロールを実現しました。
実証期間中の結果、約10%の省エネ効果と、約50%の室内温度ムラの削減が確認され、これに伴いCO2排出量も約10%削減される結果となりました。また、空調設備を入れ替える場合と比べて、コストが約20分の1で済むことも明らかになりました。
今後の展開
今夏には、ラッシュジャパン合同会社が運営する実店舗でのシステム検証を予定しており、その結果に基づいて商業施設や宿泊施設、教育施設への導入を目指しています。
実証事業その2: 廃棄物ゼロのスタジアム実現に向けて
連携企業
- - 株式会社カマン(ベンチャー企業)
- - 株式会社湘南ベルマーレ
プロジェクト名
リユース容器を活用した廃棄物ゼロスタジアムの実現 ~持続可能な仕組みづくりに向けて~
このプロジェクトは、株式会社カマンが開発したリユース容器のシェアリングサービス「Megloo」を活用し、廃棄物削減に焦点を当てています。湘南ベルマーレと連携し、レモンガススタジアム平塚で行われた実証実験では、リユース容器を使った食事の提供がなされ、回収も行われました。
実験の結果、5,698食がリユース容器で提供され、106kgの廃棄物と495kgのCO2排出量が削減されました。さらに、利用者の9割以上がリユース容器の活用に賛成するなど、高い支持が得られました。
今後の展開
次回の試合では、返却率を95%に向上させるべく、回収ボックスの改善などを図りながら再度リユース容器を使用する計画です。
これらのプロジェクトは、持続可能な社会の実現に向けた重要なステップといえます。今後の進展に注視していきましょう。