空き家問題の現状と相続・終活の重要性
京都市を拠点に相続や終活に特化したサービスを手掛ける株式会社ルリアンは、2025年に向けて全国的な調査を実施しました。この調査では、40~69歳までの男女16,342人からの回答を収集し、特に親名義の戸建て住宅が空き家になる可能性について掘り下げています。
調査結果の概要
調査結果によると、親名義の戸建て住宅について「今後の活用計画がない」と回答した人が54.4%に達し、8.8%は親が亡くなった際に空き家になる予定としています。さらに、戸建ての場合、空き家になるリスクは約10%と示されています。
地域におけるリスク差
調査は地域別に分析され、特筆すべきは「親が北関東に住み、子が首都圏に住む」ケースで空き家リスクが28%に達することがわかりました。このように、住まいの所在地域と子の居住地の組み合わせによってリスクに大きな違いが生じることを示しています。
一人暮らしによる高い空き家リスク
さらに、親が一人暮らしの場合、空き家リスクは23.2%に上昇し、高齢者施設への入所が絡むと23.4%にも達します。対して、親二人暮らしのケースではこのリスクが12.7%と低く、居住状況が空き家問題に大きく影響を与えることが浮き彫りになりました。
空き家問題の深刻さ
空き家問題は年々深刻化し、令和5年度の住宅・土地統計調査では、日本国内の空き家数が900万戸に達しています。この数字は今後も増加する見込みです。所有者不明の土地も増えており、政府は相続登記の義務化や相続土地国庫帰属制度などを通じて対策を講じています。特に相続土地国庫帰属制度は施行から2年が経ち、最新の申請件数が3,732件、帰属件数が1,586件という結果が報告されています。すでに統計からは42.5%の帰属割合が確認されており、これは実際に制度が活用されていることを示すものです。
個人レベルでの対策がカギ
とはいえ、空き家問題を解決するには個人レベルでの行動が欠かせません。調査結果を基に注意が必要なケースを3つ提案します。1つでも該当する方は、早急に対策を講じるべきです。例えば、早い段階で家族間での話し合いを持ち、「住まいの終活」に取り組むことが重要です。相続後、どのように家や土地を扱うのかを考えることが、空き家問題解決の第一歩となります。具体的には、家族で次のような質問を考えてみてください。
- - 家や土地をどうしたいか?
- - 相続後、空き家にならないようにするにはどうすべきか?
このような家族内の対話が、空き家問題を未然に防ぐことにつながります。相続は避けられない課題ですが、その対策をしっかりと講じることで、将来的な空き家の発生を防ぐことができるでしょう。
まとめ
空き家は放置されると地域社会にも悪影響を与えます。親名義の戸建て住宅が空き家になることを未然に防ぎ、持続可能な社会を築くためには、相続や終活について真剣に考え、行動することが求められます。この調査を機に、大切な家族との話し合いを持ってみるのはいかがでしょうか。