次世代半導体に向けた包括連携の重要性
2023年4月21日、株式会社レゾナックと国立大学法人横浜国立大学は、未来の半導体産業における発展を目的とする包括連携協定を締結しました。この協定は、次世代半導体技術の研究開発及び人材育成を通じて、業界の革新を促進することを目指しています。
産学共同の強化
両者は以前より連携を深めており、この協定締結を通じてその関係をさらに強化します。特に注目すべきは、次世代半導体に必要とされる部材の研究開発から高度な人材育成まで、多岐にわたる活動が行われる点です。この協定に基づき、以下のようなポイントが特に強調されています。
1.
次世代半導体の部材研究・社会実装
半導体技術の進化には新たな材料の開発が不可欠です。レゾナックが持つ豊富な半導体材料を活用し、横浜国立大学の優れた研究基盤を駆使して、実用化を見据えた研究が進められます。
2.
人材交流・育成
次世代の技術革新を担う人材の育成も重要視されています。両者が連携することで、学際的な交流の場を提供し、より効果的な教育と実践的なスキルの取得を目指します。
3.
その他の協力事項
半導体産業の発展に寄与するさまざまな研究や活動が行われる予定であり、今後の展開が期待されます。
レゾナックの企業ビジョン
レゾナックは機能性化学メーカーとして知られ、2023年には昭和電工と日立化成が統合して新たに発足。会社のビジョンとして「共創型化学会社」を掲げており、革新的なコラボレーションを推進しています。同社は、半導体後工程における世界的な市場シェアを誇る企業であり、今後の半導体・電子材料の売上高はおおよそ4,500億円に達すると予想されています。
彼らは、新たな共創プラットフォームを活かし、半導体メーカーや材料・装置メーカーとの協力を通じて技術革新を加速する方針です。
横浜国立大学の役割
一方、横浜国立大学もその名の通り、地域に根ざしたプレゼンスを持ちながら高度な教育研究を推進しています。新設される半導体・量子集積エレクトロニクス研究センターは、先進的なヘテロ集積技術の研究開発を主軸に、リーダーシップを発揮する研究拠点の確立を目指しています。
このような枠組みの中で、両者は半導体チップレットの高速・低省電力化を図る新しい3Dパッケージ技術の開発や、サステナブルなプロセス技術の構築を進めていく予定です。加えて、横浜・川崎地域を活かした実践的な人材交流・育成の場を提供することも重要な目標です。
未来の半導体産業に向けて
レゾナックと横浜国立大学の包括連携協定は、次世代半導体アプローチにおいて重要なマイルストーンです。これにより、単に研究の深化や新技術の開発に留まらず、持続可能な社会への貢献が果たされることが期待されます。この両者の連携から生まれる新たな成果は、今後の半導体産業の未来を切り開く鍵となるでしょう。