2024年度版の転職理由ランキングが、パーソルキャリア株式会社が運営する転職サービス「doda」によって発表されました。このランキングは、2023年7月から2024年6月の間に転職した人々を対象とした調査に基づいています。ここでは、各順位とその理由を詳しく解説していきます。
1位:給与の低さと昇給の見込み
転職理由の堂々たる1位は「給与が低い・昇給が見込めない」で、これで4年連続のトップとなりました。33.6%の人がこの理由を挙げています。この数字は前回の調査からわずかに下がりましたが、未だに高い割合を維持しています。また、2024年の春闘では平均賃上げ率が33年ぶりに5%を超え、企業での給与アップに向けた動きが活発であることから、希望が持たれているとも考えられます。
2位と3位:人間関係の悩み
2位には「人間関係が悪い/うまくいかない」がランクインし、22.7%がこの理由を選択しました。この理由は前回の調査から順位を1つ上げています。3位には「社内の雰囲気が悪い」が続き、21.1%の支持を得ています。特に社内の雰囲気については、新型コロナウイルスの影響を受けながらも、ここ数年で大きな変化があったようです。
近年の変化:労働時間への不満
10位以内で最も順位を上げたのは「労働時間に不満(残業が多い/休日出勤がある)」で、20.3%の支持を得て4位となりました。特に30代ではこの理由が26.2%と増加し、労働環境に対する意識が高まっていることが窺えます。
年代別の傾向
各年代別に見ても、転職理由には顕著な違いが見られます。20代では、労働環境の悩みが他の年代に比べて強調されている一方で、30代では昇進やキャリアアップの期待が高まっているようです。40代になると人間関係の問題が目立つ傾向にあり、職場の雰囲気に関する満足度が降下しています。50代でも人間関係は重要な理由の一つとなっています。
コミュニケーションの重要性
新型コロナの影響でリモートワークが進みましたが、一方で、職場での対話が機会を減らしていた人も多かったようです。パーソル総合研究所の調査によると、職場で本音を話せる人は少数派で、その影響からストレスを感じている人も多いことがわかりました。このことから、今後は企業文化の改善が求められるでしょう。
2024年のランキングから明らかになったのは、給与の悩みが依然として大きいこと、人間関係が大きな転職理由であること、労働時間に対する不満が増加していることです。転職を考える際には、これらの要素をしっかりと考慮し、自分に合った職場環境を見つけることが求められます。
最後に、doda編集長の桜井貴史氏はこの結果を受け、自分が何を求めているのか、どのように働きたいのかを考える良い機会にしてほしいと述べています。