地元に根ざした動物医療の未来へ
犬猫生活株式会社は、2025年5月に島根県の益田ペットクリニックを承継し、地方の獣医療支援に新たな一歩を踏み出しました。この取り組みは、動物とその飼い主の幸せな生活を実現することを理念に掲げています。ペットへの愛情が深まる中で、ペット医療の充実を目指す姿勢が評価されています。
獣医師の高齢化と後継者不足の現状
日本において、小動物診療に従事する獣医師の多くは関東や関西といった都市部に偏っています。それに対し、地方では往々にして獣医師の高齢化や後継者不足が深刻な問題となっており、特に個人経営の動物病院では運営が厳しくなっています。益田ペットクリニックのある島根県益田市もその影響を受け、診療機関数は減少の一途をたどっています。
このような背景の中、犬猫生活は「事業承継型」の動物病院事業を創設し、地域の獣医療を守るための施策に着手しています。益田ペットクリニックは長年にわたり地域に愛されてきた病院であり、その運営を引き継ぐことで、地域医療の持続的な発展を目指します。
後継者育成の重要性
犬猫生活は、益田ペットクリニックの運営を通じて、新たな獣医師の採用と育成を積極的に行い、その専門性を高めるべく努力しています。これにより、後継者問題に直面している動物病院へ良いモデルケースを提供し、全国展開も視野に入れています。特に、医療従事者が少ない地域においては一施設の閉院が地域医療全体に多大な影響を及ぼすため、その重要性は一層高まります。
地域医療の新たな取り組み
2023年11月、犬猫生活は東京都に「犬猫生活往診クリニック」を開業しました。このクリニックは、通院が難しい高齢者や多頭飼育をされている飼い主に特化した往診専門の動物病院です。移動が困難な飼い主のために、予防医療を中心に、より多くのペットに寄り添うサービスを提供しています。この取り組みは、今後もエリアを拡大する予定です。
動物福祉への貢献
犬猫生活は、事業の利益の20%を犬猫生活福祉財団へ寄付し、動物福祉の向上に寄与しています。具体的には、収容ゼロや殺処分ゼロを目指し、シェルターや不妊去勢専門病院の運営にも取り組んでいます。これにより、動物たちがより良い環境で暮らすための基盤を作り、持続可能な獣医療を実現することを目指しています。
益田ペットクリニックの院長の思い
益田ペットクリニックの松本院長は、1988年の開業以来、多くの動物と飼い主を支えてきた実績があります。自身の年齢を考慮し続けた医療の質を維持するため、信頼できる後継者の存在が不可欠であると語ります。
「犬猫生活のような企業と出会い、後継者へのスムーズな引き継ぎができる希望が持てました。動物の幸せを第一に考える姿勢に共感しています。」とのことです。
終わりに
犬猫生活の事業承継によって、地域の獣医療を維持・発展させる取り組みは、さらなる展開が期待されます。動物医療の未来がより良いものとなるよう、企業と地域が連携し、幸せな暮らしを支えることで、地域全体が活気づくことを願っています。