調査の背景
消防士や自衛隊職員は、日常的に危険と隣り合わせの業務を行っています。そのため、安全を確保するために必要不可欠な道具が数多く存在しますが、その中でも特に重視されるのが「滑り止め」です。株式会社MEMOCOは、渡辺製作所と協力し、消防士や自衛隊などの保安職種に従事する127名を対象とした滑り止めに関する意識調査を行いました。この調査の目的は、任務や訓練中の滑り止めの使用状況や、その効果についての実態を明らかにすることにあります。
調査概要
調査は2024年12月22日から2025年2月25日までの間に行われ、回答者は消防士や自衛隊など男女を含むさまざまな年代の職業人たちです。年代別の割合は以下の通りです。
- - 10代:1%
- - 20代:22%
- - 30代:37%
- - 40代:30%
- - 50代:6%
- - 60代以上:4%
また、性別構成は男性が約72%、女性が約28%と、男性の回答者が多いことが見て取れます。経験年数は「1年未満」が約24%で最も多く、全体として3年未満の経験者の回答が多い結果となりました。
調査結果のハイライト
調査の一環として、「任務や訓練中に手汗や滑りが気になったことがありますか?」という質問に対し、約77%の人が気になると答えました。さらに、「滑りにくさや手汗の改善を望んだことがあるか?」との質問には約76%が肯定的な回答を示しています。こうした結果から、業務中の手汗や滑りに関する悩みは多くの従業者に共通する問題であることが示されました。
また、改善策として最も多かったのは「手袋・グローブを使用する」ことで約84%がそれを実施していると回答しました。その他には「液体チョークやスプレー」を使用する人が約10%、滑り止めテープやテーピングは約5%に上りました。これらの対策は、形状や性能によって効果が異なるため、選択の基準もさまざまです。
滑り止めの使用感と満足度
調査においては滑り止めの使用感満足度についても尋ねました。結果として、「大変満足」と答えた人は約43%ですが、「何らかの不満」を感じている人は57%の割合を占めます。この不満の理由の中には、滑り止め製品の性能に期待した通りの効果が得られていないという声もありました。例えば、革手袋は「滑りにくい」が長時間の使用に伴う「蒸れ」が不快であると言われます。
「滑り止めの効果はあっても毎回持ち歩くのが面倒」といった意見も見受けられ、業務の現場では実用性が求められることが分かります。
結論
消防士や自衛隊などの保安職種に従事する人々の約8割が滑り止めに対する悩みを抱えていることが浮き彫りになりました。さらに、滑り止めの使用における問題点として「蒸れる」「手汗が出る」「指先が使いにくい」「持ち歩くのが面倒」といった具体的な意見が寄せられました。
この調査結果は、消防士や自衛隊の業務において重視すべき課題を示しており、将来的な滑り止め製品の改良や新しい対策の開発が重要となるでしょう。