教師におけるメンタルヘルスと働きやすさの現状
教師という職業は多くの責任を背負っており、日々の業務に追われる中で、そのメンタルヘルスが脅かされています。この実態を探るため、株式会社Rodinaが行った調査結果を受けて、現状を詳しく分析してみました。
調査の概要
調査は2025年3月7日から12日まで、全国の教師100名を対象にインターネットで実施されました。調査の主な重点は、職場環境に対する満足度やメンタルヘルスの状況、そしてその要因の特定です。
働きやすいと感じている教師
調査結果によれば、教師の約69%が「現在の職場は働きやすい」と回答しました。この結果は多くの教師がワークライフバランスをとれていることを示唆しています。具体的な理由としては、「労働時間が適切」との回答が53.6%を占めており、これは教育現場の管理が適切に行われていることを示しています。さらに、職場の風通しの良さや生徒との関係性の良好さも働きやすさに寄与しているようです。
負担に感じる業務
一方で、負担に感じる業務について尋ねたところ、最も多かったのは「学校運営に関わる書類作成・事務作業」で38%を占めました。この結果は、教師が教育以外に多くの業務を抱えている現実を浮き彫りにしています。続いて「配慮が必要な子ども・家庭への対応」が34%、「校内会議とその準備」が25%と続き、これらの業務が教師の本来の業務に支障をきたしていることが示されています。
メンタルヘルスの不調
調査の中で、メンタルヘルスに関する質問も行われました。その結果、約13%の教師がメンタルヘルスの不調を原因に休職を考えたことがあると回答。これは教師らが抱える精神的な負担を示しており、過去の調査と比較しても教師の割合は比較的少ないものの、やはり深刻な問題です。
不調の原因
「メンタルヘルス不調の要因として何があるか」を尋ねると、最も多かったのは「職場の人間関係」と「心身の不調」が共に53.8%と同率であり、続いて「児童や生徒との人間関係」が38.5%、「業務過多」が38.5%という結果が得られました。
このように、教師のメンタルヘルスには職場環境や人間関係が大きく影響していることがわかります。
まとめと今後の展望
今回の調査を通じて、多くの教師が現在の職場環境に満足している一方で、事務作業の負担や人間関係の悩みがメンタルヘルスに影響を及ぼすことが明らかになりました。今後は業務負担の軽減や職場環境の改善が求められるでしょう。
特に、教育現場の健全性を保つためには、教師同士のコミュニケーションや支援を強化することが重要です。
私たち株式会社Rodinaは、引き続きリワーク事業を通じて、教育現場の健全性を支援し、多くの教師が最適な環境で働けるよう努めてまいります。
監修者について
本記事は、精神科医である前田佳宏院長によって監修されました。前田院長は、東京大学病院精神科医局に所属し、精神保健指定医としてさまざまな療法に従事されています。受け持つクライアント以外にも、社会全体のメンタルヘルスに対しても貢献する活動を行っています。