福岡市の高校生が挑む地域課題解決ワークショップ
福岡市教育委員会と連携し、デジタルハリウッドが運営するプログラム『ENTRE CAMP FUKUOKA』が2025年5月より実施される。この取り組みは、市立高校に通う1〜3年生を対象にし、地域に根ざした課題に向けてアイデアを形にすることを目的としている。
プログラムの概要
このワークショップでは最大40名の生徒を集め、3日間で集中カリキュラムを実施する。生徒は、自身の価値観を基に地域課題を探ります。その結果として、課題を発見し、新しい解決策を提案する力が養われる。
プログラムの背景には、福岡市の急速な人口増加と、その反面での若者の流出という課題がある。毎年、高校卒業生約500人、大学卒業生1,000人超が東京圏へと移住しているため、地方の活性化が急務とされている。
探究学習の義務化
探究学習が必修化されて4年目。高校現場では、生徒がリアルな事業開発プロセスを体験する機会が求められている。そこで、G's ACADEMYが主催する『ENTRE CAMP FUKUOKA』が誕生しました。このプログラムでは、経験豊富な起業家が生徒のチームに伴走し、アイデアをブラッシュアップしていく。
教員向けには、授業展開が可能な2種類のプレイブックを用意し、地域のスタートアップ支援拠点では、優秀者によるピッチ大会も開催される。
日程と募集概要
このワークショップは第1回が5月20日、23日、29日に、続いて第2回が7月22日、24日、31日に開催される。参加は対面式で、福岡市立高校の生徒に参加費は不要。
申し込み時には、定員を超えると選抜が行われる予定だ。また、最終的には優秀者を選出し、一般公開を伴うピッチ大会も実施され、彼らの成果が披露されることになる。
取り組みの意義
企画運営を担当する後藤成希氏は、「探究的な学びとキャリア教育を融合させたプログラム」と述べる。この実践型ワークショップは、生徒たちに「自分の価値観の探求」を通じて地域課題の深掘りを促し、起業家精神を育成する。
チームでの共同作業を通して、傾聴力や課題設定力を高め、発表力も養われる。「自分にも社会を変える力がある」という実感を持つことで、彼らの将来に大きな影響を与えると期待されている。
G's ACADEMYの魅力
『G's ACADEMY』は2015年に設立され、エンジニアや起業家を育成することを目的とした教育機関である。入学時にはプログラミング初心者だった学生たちが、卒業時には立派な起業家として活躍する姿が多く見られる。それは、数々のスタートアップが生まれ、資金調達を果たす背景ともなっている。
「ENTRE CAMP FUKUOKA」は、福岡の未来を担う若者たちが、自らの可能性を広げる場として、その成長を見守る価値ある機会である。