ロームが提案する「REF67004」の特徴と機能
ローム株式会社は、電源設計における新たな一歩として「REF67004」を発表しました。このリファレンスデザインは、電流臨界モードPFC(Power Factor Correction)と疑似共振フライバックの二つのコンバータを統合し、一つのマイコンで制御する革新的なシステムです。特に、民生や産業機器において広く利用されています。
1. コンパクトな電源設計の実現
「REF67004」は、電流臨界モードPFCコンバータでAC入力を昇圧した後、疑似共振フライバックコンバータでDC 24Vを出力する設計が特徴です。この構造により、外部部品の特性バラツキを補正するキャリブレーション機能が備えられています。この機能は、LogiCoA™マイコンが高精度で部品の電圧と過電流保護を行うための宝です。
2. 設計の自由度と効率
このリファレンスデザインは、設計マージンを小さく見積もることができるため、より小型のパワーデバイスやインダクタの使用が可能になります。結果的に、電源の実装面積やコストを削減することができるのです。
3. ログ保存機能とデータ解析
「REF67004」にはログ保存機能も搭載されています。LogiCoA™マイコンの不揮発性メモリに、入力電圧や出力電圧・電流、温度などの動作履歴を記録することで、電源の故障原因を迅速に特定できる利点があります。これにより、保守や運用の効率も大幅に向上します。
4. 実機評価とインターネット販売
リファレンスデザインボード「LogiCoA003-EVK-001」は、税抜きで100,000円という価格で提供されています。このボードを通じて、ユーザーは実機評価を行うことができ、数量を必要に応じて調整しやすくなっています。また、LogiCoA™マイコンは2024年6月から生産が開始されます。
5. 市場のニーズに応える優れた性能
小~中電力帯の産業機器や半導体製造装置では、従来のアナログ制御電源が主流です。しかし、最近の市場では高い信頼性や柔軟な制御が求められています。ロームは、アナログとデジタルの融合を実現し、LogiCoA™電源ソリューションを提供することで、さまざまな市場ニーズに応えています。
企業として、ロームは今後も多様な電源ソリューションを展開し、お客様の開発を支える姿勢を貫いていくことでしょう。持続可能な電源開発のためのアプローチとして、「REF67004」は新しい可能性を秘めたデザインとして注目されています。